80歳老親に話した介護保険のポイント4つ。点の部分が重なると大きな花丸になる

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親子と言えど他人である。それぞれの思いは違う。すべてをかなえることはできないのが本当の所だと思う。それでも互いに共存してきた。その平行線が点の部分でも重なると、知らないよりは良かったと思うこともある。他人とのかかわりの中では、そんな点の部分でも評価としては大きな花丸になる。それはささやかな幸せである。三人で話しながら、大笑いする話題もあり、それぞれの意見が出ていい三者面談になった。

老親に介護保険利用を説明する。その内容について一晩考えた。

老親にわかるように介護保険を説明する4つ

母の利用したい気持ちを支持し、介護保険サービスを活用する。それをくつがえしてしまう父の言動を防止して、介護保険を利用して日常生活を充実させる。ここまでできたら母は今後の暮らしが随分と楽になるだろう。

そう思い説明のポイントを一晩考えた。

1.安価なサービスである。

2優先順位は、転倒防止⇒危険防止

3.介護装具を利用し、動くことにより筋力・骨強化

4.福祉用具貸与とは、一人で動くための道具、人の手を借りるのではなく道具に手助けしてもらい自立すること

翌日の夜、父と母をキッチンに呼び、介護保険サービスについて三者面談。順に4つのポイントを説明した。

話しの切り出しは父お気に入りのセンサーライトだ。

廊下の電気を自動で点灯するようにしたことをお父さんはどう感じている?

「便利だ、ないと困る」

使い始めた後に、さらに追加で付けて欲しいと言い出した場所があることを覚えている?「覚えている。危ないと思った。ここにもライトがあればと思った」

安価なサービスである

ライトを増設した時の費用は25,000円だったけど、これからお母さんが使おうとしている介護保険は、買い取り装具で5,000円位。レンタルする装具で毎月支払う金額は808円だけど高いと思う。

「払えるのか?大金だ!」「子供たちに助けてもらわないといけないだろう」と嬉しそうに冗談を言う。「そのぐらいの金額なら買い取ってしまうほうがいい」安さに驚く父。

センサーライトがなかったら、夜の廊下でまずはスイッチを探して、暗い中動くと言う行動が必要だよね。今は動けば明るくなり、安心して歩ける場所にできたことはわかるよね。

「わかる」

介護装具を利用し、動くことにより筋力・骨強化

今度お母さんが介護保険サービスを使おうとしていることは知っているよね。どうして反対しているの?

「物に頼ると筋力が落ちると思ったから」「体を動かすためには物に頼ってはいけないと思った」

お母さんにとっての杖や手すりは、廊下がよく見えるようにセンサーライトをつけて危険防止・転倒防止をしたのと同じ。

杖は自動で点灯するライトになる。それを必要ないと言ってしまうのはお母さんがかわいそうだと思わない?

「。。。。。」父は何時になく真顔だ。

優先順位は、転倒防止⇒危険防止

それならセンサーライトを付けたら自分達の筋力が落ちたと思う?センサーライトも危険防止・転倒防止のために付けたのだけど、今の所二人の筋力にも能力にも関係していないことはわかるよね。

「わかる」「それよりも消し忘れと、杖は置き忘れてくる事があってその方が心配で勧められない」

(話をすり替えるな!とも思ったけれどこれは大事な事だろう。何か考えてみることにした)

杖や手すりは筋力低下と関係がなくセンサーライトと変わらないことがわかったから付けてもいいよね。

「○○○が安心できて、便利になるなら使えばいい」父が母を名前で呼ぶときは母の事を考えた時の癖。

福祉用具貸与とは、一人で動くための道具、人の手を借りるのではなく道具に手助けしてもらい自立すること

両親に厳しい娘は更に付け加えた。これは父にも母にも聞かせたかった。自立の必要性になる。

父は母を拘束し、自分の手の届くと所に置いておきたい。時に便利に使いたいだけ。と思うような言動行動があり、母もそれを感じている。時には別の行動をしたい。父の拘束それが母のストレスの一つでもある。

互いにいずれ一人になることはわかるよね。

「それはそうなるだろう。当たり前だ」

お父さんがお母さんを助けて車に乗せてやるから杖はいらない。歩行器はいらない。という優しい気持ちはわかるけど、お父さんがいったらお母さんはどこにも出かけられないことになる。誰かに頼らない暮らしは必要だと思わない?

それならその時のために、お母さんが一人で動けるようにしておかないといけないこともわかるよね。例えばお父さんが墓の中で、お母さんはちっとも来てくれない。と感じないためにもお母さんが一人で歩けるような状況を作ることは大事だと思わない?

お母さんが一人になっても、今から歩行器の使い方に慣れて置けは、ビュンビュン飛ばして、毎日でも墓参りにも行けるかも知れない。だから歩行器も借りていいよね。

父は何も言わず、黙って聞いていた。

この話をそばで聞いていた母も満足そうな表情。たぶん母も介護サービスを利用することの意味についてきちんとわかったのだと思う。

三人で話してみて、父もわかったこと

洗濯物干しに場に父が玉砂利を敷いた。理由は「靴が汚れて母が困るだろう」という事でそれは父なりの母に対しての思いやりでもあった。

ところが母は体全体のバランスが悪い。それは足の裏にスポンジを張り付けている感覚だと想像する。体幹のバランスがコアではなく外にばかり引っ張られる。平面を歩くのも困難しているバランスの悪さ、つるつる滑る玉砂利の上に乗るとバランスが取れない。そんな状況であることを理解して欲しい。

だから、いいと思ったこともまずは母の意見を尊重するようにと言い置いた。

「そうか、それは悪かったな。玉砂利は取り除ける」と母に謝りながら、父は言うのだが「それはもういい」と母が遮る。「つかまり歩く場所を見つけた」

「それよりも洗濯物竿を低い位置に下げて欲しい」と母が言い出した。届かないと言うのに(母以外は皆大きいので低い位置だと頭がひっかかる)自分達の頭が当たるからと高い位置に竿が付けられて、ようやく干している状態だ。そうだったのか。

それは自分も気が付いていない。これは他の兄弟に付け直してもらうよう連絡しておいた。

介護保険を使うと報告したことで、老親を心配する兄弟への説明

そんなにひどい状態なのかと連絡してきた兄弟への説明。介護保険を利用するその事に対しての心配なのだと感じた。

寝たきり介護するわけではない。現状を維持するために介護保険サービスを受けることにした。動けない状況を動ける環境に変える予防の利用で、と説明したその内容が理解ができたようで少し安心した様子。この報告と説明を確認するため、夏の帰省を理由にして老親に会いに来た。こうして自分たちの眼で確認できて状況が納得できたらしい。

福祉用具の助けで活動範囲を広げる。それも介護保険で可能なのだが、介護保険と聞くと残念だが寝たきりを想像してしまう。介護と自助支援を区別していないからそうなるのだと思う。

 

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