年寄りはもったいないと電気を消して歩くことはするが、
わざわざ電気を付けて危険防止をしない。こうして手探りで歩くことに抵抗がない。
ゴールデンウィークで久しぶりに実家に帰る方も多いだろう。そんな時老親の動きを観察してみることを薦めたい。
今回の観察のポイントは動線と危険個所の確認になる。
老親の家のリフォームの前に動きをじっと観察していた
老親の体調が悪くなり、リフォーム必要性が出てきた。両親の足腰と心臓への負担を軽くする必要があり、その前に、二人の日常生活の動線を観察していた時期がある。
目標は、どこで段差をなくしたら長い距離の平坦な動線ができるか。
老親の動きとリフォーム動線が重なって、さらにここで段差をなくすとスムーズな動線がつながるという箇所が見えてきたので、それを絵に描いてみた。
それを元に設計士さんに相談してこの形でのリフォームが可能かどうか相談した。すべての段差が解消できた訳ではないのだが、これを元に二人で暮らすには十分なリフォームができた。
老親がさらにと望んだリフォーム個所
老親が、リフォームしてよかったと思っているところは、廊下に付けたライトで、そこに明かりはなかったからわざとセンサーライトの照明を付けた。設計士さんはここまですると年寄りが動かなくなり、やりすぎかもしれないという説明をしてきた。
そこは譲らず、「年寄りは電気があってもつけたり、消したりすることがもったいない」と言いだす。明かりのスイッチがあっても「つけたり消したりする動作が面倒」だという発想になり、いつものことだからと暗い中で動く。そこで転ぶ。
せっかく付けた明かりが活用できない。これが年寄りだと。説明した。
動きに合わせて点灯するが消さなくても消えるセンサーライト
結局こうしてセンサーライトにしたことはとても有効であり、老親も動くと照らされ時間が来ると消えるのでもったいないと思うこともないようだ。
明るさは便利で安全だと感じたようで、リフォームしてしばらく生活した後に、「トイレの入り口もセンサーライトに替えて欲しい」と言う。
センサーライトは老親の動線にそって付ける
タッチセンサーライトにしたところは廊下。トイレの入り口、トイレ。
トイレの換気扇も自動で換気するセンサー付きの物にした。電気を消し忘れることもないし、夜だけでなく暗い日でも感知して付くから危険防止に役立つ。
本人達もそれが当たり前となっていて、便利になれたのか、
電気を付けるために暗い中で探るという行為が、自分でも危ないと感じるのだという。こうして夜歩く通路のライトはすべてセンサーライトなった。
その前にセンサーライトはLEDライトにして欲しいという依頼が父からあった。理由は電球の交換が思うようにできなくなったからだった。
「これで10年大丈夫」と言われて「死ぬまで電球の交換の心配をしなくて済みそうだ」と返していただが。すでに6年経過した、一度ぐらいはLEDライトが切れた。と騒ぐ声も聴いてみたい。
リフォームの基本は自立促進だが老人の特性を理解する必要がある
こちらとしても、電気がつくから老親の動きも分かりやすい。年寄りの自立は大切だし自主性も尊重したい。
しかしせっかく設置した物をもったいないとか、ついついなんていう理由で使わないのが年寄りだと思う。
年寄り(個人の)特性を理解した上での事であるが、特に危険を伴う場面では、合理的な考えを優先。無駄な自立を省き、安全を重視する判断と決断が大切だと思う。
今では、ボケて徘徊するようになれば色々なところで電気が付くようになるからボケ症状の発見が早いかも知れないと考えるに至っている。
冬場トイレの便座の蓋を上げたままにする老親
冬場、夜のトイレで、「えっ」と驚くことがあった。それはトイレの蓋を上げたままにしている事だった。
蓋が空いていると、便座の温度センサーが通電している状態となり、温度設定のサーモが常に働く状態になるではないか。
と考えたからで、どうしてこんなことをとするのか?「電気がかかりもったないのに」と思った。しばらくしてなるほどと感心した。
冬のトイレは寒くなる、そこでわざと、蓋を開けておく。そうすると便座のサーモが常に作動して、通電している状態となる。そうなるとその温度でトイレ全体が温まるのだ。
なるほどと感心した。考えてみると自分の家でトイレの蓋を閉めていても、トイレが部屋の中で一番暖かい場所になっているときがある。
冬の夜トイレの蓋を閉めない事は、トイレが寒くならないように考えた工夫だったのでした。
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