お宅の会社がそれを言うかの巻

先達ブログ

ももじろうです。
いつもジルがお世話になっております。世帯主で主夫のパートナーです。

「老後を豊かにシリーズ」お宅の会社がそれを言うかの巻

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面白い話は仕事中に始まった

先日、勤めている会社に外国より商品の引合いが有りました。
仮にこの外国をB国とします。B国の工場Cは、A国本社の子会社のひとつです。

引合いの有った製品は、ある製品のあるパーツを作る時に反応媒体として使います。
引合いのメールに添付されていたA4サイズ用紙の厳しい取引条件“に対して、具体例を挙げてこれはできない、ここは適応除外にしてほしいと、注文を付けました。

その時、この海外子会社の簡単な“取引条件”ではなく、A国本社のWebページを見ていて見つけた、“本社の取引条件”の多くの条項についても、受諾できない旨を伝えました。

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簡略化してお話すると

本社取引条件で一番困ったのが、
「サプライヤーは、納入した商品のスペアパーツ在庫を最低10年間確保する」
反論1:10年間分のスペアパーツ等保有できない。

「サプライヤーは、製造物責任を含む賠償責任保険をビジネス関係全体、つまり期間の満了まで1,000万ユーロ(約12億円) の補償すること。」

反論2:我が社は商品を数十トン単位で仕入れて、数トン単位で販売する会社で、今回引合の製品が生み出す粗利益は1回十数トンで数十万円しかないので、12億円の補償はとても出来ないので無理。

「サプライヤーは、化学物質に関するEC規則(以下、「REACH規則」)に準拠するために、納入商品または実行サービスに対して責任を負います。」

反論3:ヨーロッパでないアジアなので、REACH規則を言われても対応出来ない。

「すべての支払いは、オファーの受諾および注文のそれぞれに定められた支払い条件に従って行われます。そのような条件が示されていない場合は、3%の割引を差し引いた60日以内に、または控除なしで90日以内に、債務取消効果のある支払いが行われます。」
購買契約締結時よく注意していないと、60日後の支払いが3%割り引かれるか、それが嫌なら90日後支払いにされる。と言う勝手な条件を言っている。

反論4:この条項は受け入れられない。

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“厳しい取引条件“の内で、一番困りものは

先のC工場から示された“厳しい取引条件“の内で、一番困りものは
8種類以上の異物混入がないこと」でした。
化学薬品は大きなタンクでそれぞれを保管しています。ドラム缶に詰める時にはそのタンクから伸びているパイプを通ってドラム缶に詰めます。

この詰め作業では、途中からは1つのルートで複数の製品をそれぞれ詰めるので、“甲”の後に“乙”を詰める時に、一応内部は洗うのですが、“甲”が少しどこかに残っている可能性は大で、一日に複数の製品を1つのノズルでドラム詰めすると本来“乙”だけのはずの所に、“甲丙丁戊己庚辛壬癸”と前工程で詰めた薬品がいろいろ混ざる可能性が起きます。


これを8種類以内にしろと要求されました。もちろんPPM(百万分)単位ですが・・。

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丁重なお断りが来てこの引き合いは終わり

結論からいうと、以下の丁重なお断りが来てこの引き合いは終わりました。
終わって良かったと言う気持ちです。負け惜しみでなくて

先方返事「私たちのすべての質問に答えてくれたあなたの努力と時間に感謝します。
弊社の文書と仕様をレビューする際の迅速な対応と努力を高く評価します。AB本社の契約条件は、取り消しできないことが決定されました。
繰り返しますが、ありがとうございます。私たちは貴社の対応にとても満足しています。」

これがその回答原文です。

We would like to thank you for your efforts and time in answering all our inquiries.
Your fast response and efforts in reviewing our documents and specifications is highly appreciated.
In line with the terms and conditions of AB headquarters, it was decided that this will be remain.
Again, thank you and we are very grateful on your support.

長々とお付き合いいただきましたが、本件で一番面白かった部分がこの箇所でした。
“厳しい取引条件“の10番目に曰く
まず原文: There must be no cancer-causing compounds present in the delivery.
和訳すると:配送品と部材にがんの原因となる化合物が存在していてはなりません
極めて常識的な文言とは思いますが、今回引合い品を反応媒体として作る品を有る物の部品として製品化するのですが、その製品は紙巻たばこでした。ん?面白くありません?

お宅の会社がそれをおっしゃいますか?と聞きたかったです。言いませんでしたが・・。

しかし、深く考えれば煙草を吸った人が癌を発症し(身勝手な理屈で)たばこ会社を訴えるた時に『わが社の製品は発癌物質を含んでいません』と言い切るための布石かと思い直しもしてみましたが、国際がん研究機関の発がん性リスク一覧では911種類もあるのです。911種類を含んでいませんと言う証明をするのに一体いくらかかると思いますか?これら物質の非含有証明をしなければならなというのはそれはそれで非現実的です。