老親は80歳を超えた今も元気に過ごしているが、自分達の介護にかかるであろう費用を心配している。
なるようにしかならないのだと説明してみても、自分が暮らす地域での不幸も目の当たりにしているから降りかかる火の粉がいずれ自分に係ることも知っているのだった。
何事ごともお金の心配が先に来る。その現実が悲しい。
さて老親は今の所、介護支援もなく暮らせているのだがいつまで続けられるか。という状態であることは分かっているつもり。
高齢であっても、できることを考えて前向きに生きている姿をチェック表で確認し、判断基準を明確にしてみたつもり。このところこうしてつもりだけを積み立ていた。実際はこの生活が何時まで続くのか、指標があればいいのにと考えていた。
老親介護中の方から話を聞く機会がありあなたの介護に役立てることができるチェック表を作ってみた
簡易生命表でわかる平均余命
そんな時に、平成27年の簡易生命表という統計を見つけた。それによると80歳の平均余命は男性8.89歳、女性11.79歳となっている。ちなみに65歳の男性19.46歳、女性24.31歳である。
この数字も全年齢をみると、男女とも全年齢で前年を上回っている。さらに興味深いのは、死因別にみると男女とも悪性新生物及び心疾患(高血圧性を除く)などの死亡率の変化が平均寿命を延ばす方向に働いている。という点だろう。過去の変化も調べてみた。
平成25年の簡易生命表には、平均寿命が延びたのは悪性新生物及び心疾患(高血圧性を除く)、脳血管疾患及び肺炎の死亡状況の改善が大きい。
平成22年の簡易生命表には、心疾患(高血圧症を除く)、脳血管疾患、自殺などの死亡数の変化が平均寿命を延ばす方向に働いている。
比べてみると改善の内容が変化しているのがわかる。それぞれに治療の効果が上がっているということか。歯周病の予防に励んでいたり、がん保険を増額している。死因結果を知ることができたことは、老親の平均余命指標だけでなく自分達の指標にもなり、自分が判断したことが、今の状況に対応していることがわかったことが幸いだ。
老親は在宅介護を望んでいる
さて、老親は介護状態になった時、在宅での介護を望んでいる。
今は望みをかなえる事をメインに考えているが在宅でも介護サービスは目いっぱい使うつもりでいる。その資金は年金からになる。この状態で天寿が全うできたら本人の望み通りで満足してもらえるだろう。
どちらかが施設に入居することになると、経済的に詰まることが想定できる
それが父であった場合、年金の額に相当する施設に入居してしまうと一人家に残された母の生活が成り立たなくなる。
そこで母の生活費を捻出する必要が出てくる。一人暮らしになれば生活費も削減できるのではないかと思うだろうが、現在の生活費から考えてもこれ以上生活費を低下させることは困難だと思う。
さらに父の介護施設に通うとなるとそのための出費も増える。その期間が父なら8.89年、母なら11.78歳となる。そう考えると彼らが自分達の老後資金と考えている金額で何とかなりそうだ。
介護施設は年金額内で探す
ここで介護施設を高望みして設備の良い、サービスの高い施設に入ることを考えてしまうと、瞬く間に破たんしてしまう。
年金で賄える施設が基本だと伝えてきたことは数字上では正しい意見だろう。さらに厳しいが、自分達は介護の支援はできても(介護のために通う交通費を自分達で出すことが精一杯)それ以外の介護資金を出す余裕はないと伝えている。
老親も「あなたたちも年を取る。自分達の老後を考えることは当たり前のことだ」と理解している。
まとめ
経済状態の共倒れを防ぐために、互いが経済的に自立できる状態での介護を考える
介護を受ける側の意向から介護する側の支援の内容を検討するが一方の意見を尊重しない。折り合う点を見つける事。
平均余命から介護費用を計算してみると、介護資金の計画が立てやすい。
年金生活で老後を暮らしさらに介護支援を受けた場合、持ち出しはあっても資産は残らないと考えておく。
さすがに老親に平均余命の話しはできないが、それでも介護費用と考えている資金と平均余命を割れば介護に関連する費用の年額がわかる。それが二人分であることを忘れないようにしたい。
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