Palio 外伝2
ももじろうです。いつもジルがお世話になっております。
パリオのスタート 騎手、馬、スターター 20230826
パリオは毎年7月2日と8月16日の2回行われるのですが、
シエナ人(senese セネーゼ)はこの日のために生きている
パリオは観光客のためのお祭りじゃない。
時として観光客は血が上った一部のシエナ人に意地悪される。
ここで突然カナッペと言う言葉が出てきます。
レースは前に張られたロープ“カナッペcanapés”の後ろロープの外側から
…….(カナッペ【語源】フランス語から -カナッペ(仏: canapé)とは、
……. 一口大に切った食パンや 薄く切ったフランスパン、
…… クラッカーなどに、チーズや野菜などを盛った料理。
…… 語源のフランス語は「背もたれのある長椅子、ソファー」の意味)
走って前ロープ・カナッペに入ってくる馬(10頭目)によって開始され、
どのタイミングで出走を開始するのが有利か否かは
他9頭の整列具合(通常は逆の9頭の混乱具合をみて10頭目の
騎手が有利/不利を判断してレースを開始するかを決定します。
資料:2023年8月パリオでのスタート直前、
9頭の上の1頭(白黒縦縞Lupa狼)がタイミングを計っている。
白黒縦縞の10頭目が“意を決して”スタートしたので前列の9頭もスタート。
この駆け引きは数分で起こる(終わる)こともありますが、因縁の
ライバルコントラーダ間の駆け引きの状況によっては数時間も続く
こともあります。
通常、出走する騎手は、
1つまたは複数のライバル地区の馬の位置が悪い場合、または同盟地区
の馬が有利な位置にいる場合に、パリオの出走を決定します。
騎手同士のやり取りでお金のやり取りも有ると言われております。
スタートしたら、騎手の有無にかかわらず、馬は広場を時計回りに
3周する必要があります。馬だけがゴールした場合も、馬につけられた
コントラーダの額飾りが落ちていなければゴールは有効となり、優勝です。
近年これが2019年8月、2023年8月に2度起こりました。
騎手を選ぶことはできるが、馬は選ぶことができない。
騎手は毎回その都度各コントラーダがお金を出して雇います。地元出身の
ということでなく騎手で生計を立てているプロです。
騎手にも当然上手い下手や運の良しあしが当然にあり、2023年7月にセルバ
(森)で優勝したジョヴァンニ・アッツェニ=ティッティアの様に10回
も優勝している騎手もいますが、無名の若い騎手が優勝するもあります。
パリオに参加する地区に馬はどのように割り当てられるか?
10の各コントラーダと契約した騎手は、体力のある馬の中から選ばれた
候補馬の中から抽選で割り当てられた馬でレースに参加する。
馬は裸馬で、鞍なし鐙(あぶみ)なし(これが一番)コントロールを難しくして、
レース中に落馬や転倒の事故が起こることがしばしば起こります。
またレース前、敵のコントラーダによる騎手の買収、レース中の騎手
同士による鞭(むち)の打ち合い、押し合いなど、まさに何でもありです。
何でもありですが、1 つだけ禁止事項があります。
騎手は他の馬の手綱を引っ張り妨げてはなりません。
肝心の馬はレースの数日前に抽選で決まります。この馬の抽選で勝敗が
決まるというほど重要で、シエナではもちろん全てがテレビ生中継。
コントラーダの人が一喜一憂する瞬間でもあります。
前評判のいい馬と悪い馬というのがあって、優勝できそうもない馬を
引き当てたコントラーダは運を天に任せるか、買収作戦を考えます。
例えば今日が” tratta ”(トラッタ)とよばれる日だとすると。
各コントラーダへ馬が与えられる抽選会、l’assegnazione dei cavalli
(ラッセニャツィオーネ・デェイ・カバッリ)が
おこなわれるとすると。昨日までに約33頭に絞られた優秀な馬たちは、
今日の午前中にもう一度の試走を経て10頭に絞られる。
決定した馬は、その瞬間から変更されることは絶対になく、レース前に
死んだとしても代走馬があてがわれるということはありません。
適格性検査と馬 (トラッタ) の割り当ては、パリオの 3 日前に行われます。
パリオの前には6回の試走会(午前と午後に1回ずつ)が行われ、
その間にコントラーダが選んだ騎手が馬に慣れると同時に、馬たちが
カンポ広場にパリオの為に臨時にしつらえられたコースにも慣れる。
コースには1660年から、馬の安全を守るために、広場の石の舗装
の上に粘土質の土の層を広げることが実施されていて、
トゥーフォ(tufo)舗装の馬場
トゥーフォ(tufo)という黄土色凝灰岩の砂(というより土)で敷き
固められます。
このネイション紙の写真ではアスファルト道路路面舗装の敷きならしに使う、
ペイバー(左上奥の機械車)が馬場づくり使われております。
7月のパリオが終わると土は回収され、8月また敷き詰められる。
これがそれ、粘土質で厚さは15cmから20cm。
シャベルローダーで取り切れない土は、高圧水で流す。
この土は(現在)輸入品だそうです。
スタート
パリオの始まりは出発「ゴー」サインで、レースが始まります。
世界中で行われているレースの中で、対戦相手に対する妨害から
何から何までと言うほど、相手の手綱を引っ張る事以外すべてが
許される唯一のスタートである。
外側でタイミングを見定めている最後の1頭が出走し、最終的に
2つあるロープの間に入ると、スターター(モシエール)が(ロープ外し
ハンドル)を作動させ、瞬時にカナッペ(フロントロープ)を落とします
そして、スタートが有効となる。
スターター(モシエール)はコントラーダ自治会の提案に基づいて
市当局によって任命される。
パリオのロープへの配置順序は、「フィアスカ(フレスコ)」と呼ばれる
機械的抽選手段によって決められます。
この装置は、二重ジャケットの管とバルベリ(当日のレースに参加する
各コントラーダの色で塗装された木製の球体)10個が入れられる
フラスコで構成されています。 詳しくは Palio外伝1をお読みください。
フラスコ Fiasca
日本人以外の方で翻訳で当ブログをご覧の皆様へ
日本にも、街中が熱く燃える大阪岸和田市の
「岸和田だんじり祭」2023年9月15、16、17日
等があります。
外国語への対応(Foreign language) – 岸和田市公式ウェブサイト (city.kishiwada.osaka.jp)
コメント