商いの神髄「買うての幸い、売っての幸せ」の「あきない世傳 金と銀」20250505

先達ブログ

ももじろうです。いつもジルがお世話になっております。

商いの神髄「買うての幸い、売っての幸せ」の「あきない世傳 金と銀」20250505

 

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視聴者の皆様から多くの続編希望をいただき

 

「あきない世傳 金と銀」待望のシーズン2を制作します!と

NHKが言った「あきない世傳 金と銀」の放映が始まっています。

脚本山本むつみ氏曰く、毎回怒濤の展開でお送りする全八話

 

BS時代劇として小芝風花主演で、多少髙田郁 氏の原作とは違うところもある

内容展開ですが、放送八話の制限のなかでも話の面白さは替わっていません。

 

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ももじは、いしのようこさんが演じる“お竹どん”が大好き

 

作中彼女が出る場面渋いだけでなく面白い処が良いです。とてもいい感じで

気に入っております。『ちゃちゃとやりなはれ!』は微笑まされます。

 

普通、女優さんの足の裏を見る機会などあるわけがありませんが、、

良いんですわ!一つ一つの演技が!

 

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日本髪の丈長(たけなが)

 

今回の八話でどこまで話が進むのか分かりませんが、シーズン1から出ていた

「幸」の日本髪を締める丈長(たけなが)がとても好きです。

大河ドラマ“べらぼう”での花魁役はノー!昼肌襦袢で肩を出して過ごす、花魁の

怠惰な姿をしても、全然婀娜っぽさがなかった。

小芝風花さんやはり素人の町女として笑顔のこちらがグー!

五話で出てきた、これら写真の話は原作を読んでいれば『あれね!』と判る。

 

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あきない世傳 金と銀シリーズ

BS篇ではオリジナルの6巻が第五話となっています。

BSシーズン1を見てから、原作を読んだのでお竹どんは“いしのようこ”さんの

イメージで読んでおりました。スピンオフの特別編「百体の過客」に出てくる

お竹どんも、もちろん同じ“いしのようこ”さんです。それ以外考えられない。

 

一  源流篇

二  早瀬篇

三  奔流篇

四  貫流篇

五  転流篇

六  本流篇

大坂天満の呉服商「五鈴屋」は、江戸進出に向けて慎重に準備を

進めていた。その最中、六代目店主の智蔵が病に倒れてしまう。

七  碧流篇

五鈴屋の江戸出店も軌道に乗り堅実に商いに精を出す幸。

人形遣いの亀三に紹介され歌舞伎役者の菊之助との縁が出来た。

八  瀑布篇

九  淵泉篇

十  合流篇

十一 出帆篇

十二 大海篇

契り橋 特別巻[上]

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第三話 百体(はくたい)の過客  お竹どんのスピンオフ話

 

江戸店をこの場所に開く前から佐助と賢輔を受け入れ、創業後もずっと支

えてくれたのは、紛れもない久助だ。男の台詞と五鈴屋のこれまでとが重

なって、主従は言葉もないまま、深く頭を垂れた。

せやさかい、と久助は故郷の近江訛りに戻って、柔らかに続ける。

「この先も、何があったかて、五鈴屋さんはきっと乗り越える。どないな

困難も、主従が心をひとつにして、必ず、乗り越えて行かはります。

それを私の言葉形見とさせて頂きまひょ」

言葉形見、という久助らしい言い回しで結ぶと、近江屋江戸支配人を務め

あげた男は、表座敷に並ぶ五鈴屋のひとりひとりを順に見て、畳に両の手を

ついた。

「長きに亘リ、本当にお世話になりました。皆さんとの思い出は尽きません

が、こののちは、遠い空より五鈴屋さんの変わらぬご繁盛を祈念いたします」

篤実に伝えて、久助は額ずいた。

久助が江戸を去れば、今生での再会はおそらくない。果たせない約束は

交わさず、ただお互いが健やかであることと、幸せであることを祈りあう

ばかりだ。最後、胸に刻むように店の中を見回したあと、久助は今一度

辞儀をして、暇を告げた。

「お竹どん、久助さんをお見送りして」

店主に水を向けられて、お竹は「へぇ」と頷いた。

 

空が高い。

久助を見送るために外に出て、お竹は思った。

腕の良い紺屋が染め上げたに似た縹(はなだ)色の美しい空を、晩秋の

陽射しを羽に宿らせて、蜻蛉の群れが漂う。旅立つ人を見送るのに相応し

い。惚れ惚れする秋天だ。

浅草寺へと続く表通りには、お揃いの王子茶の水引暖簾を掛けた店々が連

なり、双六を手にした善男善女が上機嫌で行きかっていた。ひとの波を縫って、

ふたりはゆっくりと歩いていく。

「久助さん」

お竹がその名を呼べば、紋羽織が収まった風呂敷包みを大切そうに胸に

抱えて、久助は温かな眼差しを向けた。

「堪忍しとくれやす。せっかく、私のためを思うての登りのお誘いやったのに」

今更ながらの詫びを口にするお竹に、気にすることはない、という風に、

久助は軽く頭を振った。

「月日は百代の過客にして、行き交う年もまた旅人な―――前に、お竹さんが

その話をしたことがありました」

へぇ、お竹は深く頷く。

「よう覚えています」

迷いのない返事に、久助はゆるりと頬を緩めた。

「お竹さんも、私も、長い旅路を行く過客のひとりです。登りをご一緒し

てもしなくても、お互いの人生の旅はまだまだ続く。旅の途中で、あなたと

いうひとに巡り逢うことが出来て、私はほんに幸せ者です」

この先も、あなたが己の旅路を歩いておられるのを思えば、何より励まされ

ます、と旅人は温かに言い添える。

お竹には、久助の言葉こそがしみじみを嬉しく、ありがたかった。

東仲町の木戸が見えたところで、男は立ち止まる。

「旅の続く限りは『二度と逢うことはない』とは決めずにおきましょう」

いつか、何処かの旅の空で。

互いに胸のうちで誓い合って、老ふたりは、木戸の前で別れた。

男の後ろ姿が雑踏に紛れていくのを、お竹はその場に佇んで見送る。

姿が見えなくなる直前、男は振り返り、紋羽織の入った風呂敷包みを高く

高く掲げて、大きく振ってみせた。

 

幾世の鈴 特別巻[下]

 

BS時代劇の「あきない世傳 金と銀」シーズン2 後三話が楽しみです。

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