ももじろうです。いつもジルがお世話になっております。
エッフェル塔と東京タワーのペンキ塗り替えの話 20240726
今日がパリオリンピック2024開催日なのを特別に狙ったわけではありません
(こちらはオリンピック狙いでしょうが)NHKのエッフェルさんが作った
エッフェル塔に恋してを視て、俄然ある事に興味が湧いて、調べてみました。
それは、鉄構造物を守る、ペンキの事でした。
難しい話をすると皆様に嫌われるので、まずはエッフェル塔の最上階276m
展望台からの360度パノラマを昼間/夜間の切り替えでご覧ください。
NHK見逃し配信をご覧になりたい方はこちらを参考にして下さい。
花の都 100年の物語 – エッフェル塔に恋して – NHK
花の都 100年の物語 初回放送日:2024年6月22日
19世紀末、世界一の鉄塔をパリの街中に建てるというプロジェクト。待ち受ける難工事や人々の猛反対。いかにしてエッフェル塔は人々に愛される街の象徴になったのか。
最上階展墓台からのパリ市内360度パノラマが昼/夜切り替えで観られます。
左上凱旋門
左上凱旋門、夜景
シャイヨ宮(1937年、パリ万国博覧会開催にあわせ建てられた)
旧トロカデロ宮(1876年、パリ万国博覧会にあわせて建造)の跡地
1889年のエッフェル塔竣工にはトロカデロ宮が次の様に見えていたハズ。
シャイヨ宮夜景
さて、ここからが調査報告
各種資料を読んだ結果を、塗装の中身を解かり易い様に表にしてみました。
一般名(別名)
竣工年 年齢(2024年) |
塗装指示等
ペンキ塗替間隔年 ペンキ種類 塗り方等 |
ペンキ塗替
当初の会社 現在の会社 工期 |
建設作業中事故・死者
現時点 問題点 又は良い点 |
エッフェル塔
(鉄の貴婦人) 1889年 135歳 |
設計ギュスターヴ・エッフェルが推奨
250,000 平米の広さの表面は 7 年ごとに塗り直され
高塗膜ウレタンアルキド・ベース
塗装工たちは今日でも、ギュスターヴ・エッフェルの時代に使われていた伝統的な手法、主にギポン ブラシ(カーボンブラシ)を使って手作業で塗料を塗っている。 |
1889年Société anonyme des gommes nouvelles et vernis
1900年Georges Hartog & Cie 現在 ヨトゥン・フランス 工期は天候を考慮して 18 か月から 3 年以上 塗料60トン 平均総費用 300 万ユーロ |
作業終了後に転落事故が 1 件
130年の間に19回塗り直され、20回目の塗装作業は2019年に始まりましたがパンデミックによる9か月の中断の後、2022年1月に再開されましたが、以前の19層のペイントを取り除いたことで発生した高レベルの鉛が検出されたため、再び中断
パリ市の目標は、2024年パリオリンピックの開始までにエッフェル塔を完全に再塗装することだったが、現在、競技期間中は作業を中断し、オリンピック終了時にのみ再開する予定 |
塔の下部は少し暗く、上部にいくほど明るめに塗装されており、見た目には塔全体が均一な色で塗られているという印象を与える。 | |||
東京タワー
(日本電波塔) 1958年 66歳 |
設計内藤多沖氏
1958年竣工以来、ほぼ5年周期。11回目の塗り替えでそれまでのフタル酸樹脂塗料からアルキド樹脂塗料へと塗装仕様変更し5年から7年に |
元請竹中工務店、足場宮地エンジニアリング、塗装平岩塗装が主に担って、塗装面積は約8万平米 工期1年 | 1名死亡
安全対策の中でも特に注意を払っているのが職人の健康管理。有機溶剤を扱っているため半年に一度の健康診断、作業に入る前に毎日血圧測定を実施、数値が規定を超えた人はその日は働かせない。 現在、300人ほどの塗装職人が従事しそのほとんどに共通しているのが「東京タワーを塗りたい」との思い 高校生新卒者入社志望動機が『いつか東京タワーを塗りたい』 |
塗装作業自体は刷毛で行われ、昔は片手に刷毛、もう一方の手にサゲツ(下げ缶)を持っての作業でしたが、10回目の塗り替えから関西ペイントとの共同開発による”背負い式タンク”を使用したので、作業が楽+安全性も高まった。この背負い式は、背中に背負ったタンクからノズルを通って刷毛先に塗料が圧送されてくる。 | |||
名古屋TV搭
施設命名権の売却により、2021年5月1日から呼称を「中部電力 MIRAI TOWER」 1954年 70歳
|
設計内藤多沖氏
1954年以降、7年に一度、全体を塗り直してきた。銀色塗装には「ジンクリッチペイント」が使用されています。ジンクリッチペイントは、亜鉛の粉末を70%〜95%ほど含む銀色の塗料で、鋼材のサビを防ぐために使われる。 |
当初会社不明84年から塗装アイチテクノ
替え費用は1回2億円、下塗り2回・上塗り2回の計4回行い上塗りには5トンの塗料が使われる。 |
2022年10月中日新聞
全体塗装は2012年を最後に行われていない。発注するテレビ塔側の、費用負担が重くなってきた。塔内に高級ホテルが開業し、足元は再整備でカフェなどが立ち並び大規模な塗装工事は景観を損ね、ペンキの飛散や臭いも迷惑になる。
注記:東京タワーではこの塗替時飛散対策として落下して建物や車についた塗料をすぐに拭き取るための地上部隊を配置。 |
1954年の開業以来初となる、全体改修工事を実施。2019年1月より休業し大規模工事が始まった。この度の工事では世界初の工法による免震装置の設置により、震度6強程度の地震にも耐えられる強度を持つタワーとなった。右記事が正しければ塗替は無し?
2022年に国の重要文化財に |
塗装の件は、こちらの記事が一番核心をついています
グーグル・クロームで開き、日本語変換を選ぶと日本語で読めます。
エッフェル塔の腐食
日付:2024年7月5日
著者: モニカ・フマガッリ
こちらは、エッフェル塔の正式ホームページ(の中の塗替)
エッフェル搭HP
表最後に名古屋TV搭もおまけで付けました。
何故名古屋テレビ塔はジンクリッチペンキの銀色で東京タワーの様に
赤と白で塗装されていないのかの話は大変笑えるものでした。
名古屋テレビ塔は1954年に建てられ1960年に出来た航空法より前にあった。
名古屋テレビ塔も政府から何度も塗り替えを指導されましたが、当時の
神野金之助社長は、法改正前にあったことを理由に、塗り替えに反対。
最後には最上部に航空障害灯をつけることでなんとか許可が下り、
名古屋市民にお馴染みの銀色の輝きを今に残すことができたという次第。
中日新聞2020年10月の記事が正しければ2021年以降本格塗替が
実施されていないとのこと。2019年の免振工事だけでは
持たない(鉄搭がサビたらどうする)のではないかと少し心配です。
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