ももじろうです。いつもジルがお世話になっております。
パンの袋を留める“例のアレ”から考えたの? 20231010
ジルのお土産を見て考えた
ジルが街に出たついでに(本家米国では廃業したが、日本では営業中)
DEAN & DELUCA ディーン&デルーカ のシリアルブランブレッド、
他(キッシュ2種類)を購入して帰りました。
見ると、そのシリアルブランブレッドには普段食パンの袋に付いている
のと同じ形(袋の口がほどけない構造部分)の留め紙が付いていました。
しかも、写真の通りプラスチックでなく、薄ハードボード紙製でした。
通常この手の物は、“ある日”“ある時”米国の主婦が日常の中で“ふと、
こうすれば、もっと便利になる“と気がついて考案し彼女はその後特許料
収入で楽しく暮らしました。と言う話がよくついて回ったものでした。
エンジニアの発明品
調べると、これを考案したのは主婦でなく、エンジニアで
ワシントン州のリンゴ生産者から、安全かつ鮮度を保つ結束方法を考えて
ほしいと要請された結果です。
名前も“例のアレ”では無くて、正式名称はバッグ・クロージャーと言います。
ディーン&デルーカのシリアルブランブレッドを留めるのは紙製で
写真の様な形状ですが、今どきパン袋に付いているのはプラスチック製で
袋がほどけないのも肝ですが、一番の肝は工場で自動包装が可能な点です。
正式には、自動包装のついでに袋に取り付けられ、消費者が後で使える。
ディーン&デルーカのは数量が少ないので、手で留めるで目的達成できます。
発明者のフロイド・パクストンによって1954年に創立された製造会社
クイック・ロックについてはこちらのHPでご覧ください。
HP一部紹介
クイック・ロック 動画集、右側四番目(一番下)
米国西海岸ワシントン州、シアトルから2時間半の地にある人口25万の
ヤキマ市(市名はヤカマ族インディアンから採られている。
シアトル市は、スクアミシュ族の酋長シアトル(Seattle)の名に因む。
この手の話は世界中にあり、どこでも原住民の呼び名が元になっている。
日本で顕著なのは、もちろん北海道の地名、アイヌ語で何々を漢字化)
クイック・ロックの英語なら QUICK LOCK が正しいハズですが、
(勝手な妄想すると)現地のインディアン諸氏に登録する予定の会社名を
口頭で伝えたところ、× QUICK LOCK でなく 〇 KWIK LOK と書いた
のが“面白くて”そのまま無二の名前として(採用)登録したのではないか!?
3代目のオーナー(パクストン家の3姉妹、左から長女、次女、3女)
米国では特許
最初ディーン&デルーカの紙のバック・クロージャ―を見た時に
ん?と思ったのは、これは誰かの特許に触れるのではないかという事
と言うわけで米クイック・ロック社のHPで特許関係を探しましたが
出てこなかったので、US PAT. Bag Closure で探してみました。
幾つかありましたが、これらはその一部です。
US3164249A * 1961-03-07 1965-01-05 Floyd G Paxton
Bag closures united in strip form
US3822441A * 1971-04-05 1974-07-09 F Paxton Plastic
clip for closing flexible plastic bag
US4361935A 1980-06-09 Application filed by Paxton Jerre Hale
2000-06-09 Expiration Status Expired – Lifetime
USD770278S1 * 2015-06-05 2016-11-01 Kwik Lok Corporation
Closure for bags
USD796320S1 * 2015-06-05 2017-09-05 Kwik Lok Corporation
Closure for bags
日本では特許でなく、立体商標
日本では特許でなく、立体商標を取得しているそうです。
立体商標登録がなされると、商標権者は、指定商品または指定役務について
登録商標の使用をする権利を専有できることになります(商標法25条)。
保護期間は10年ですが(商標法19条)、何度でも更新ができます(商標法20条)
ディーン&デルーカのは、紙製だからOKなのか、使用料を払っているのか
判りませんが、ももじに新たな勉強させてくれたことはありがたかったです。
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