NHK国際報道放映 カズオ・イシグロがリメイクした黒澤の「生きる」 20230922

致仕風靡(ちしふうび)

ももじろうです。いつもジルがお世話になっております。

NHK国際報道放映 カズオ・イシグロがリメイクした黒澤の「生きる」 20230922

 

2023年3月に(日本で)公開された英国作家(2017年ノーベル文学賞受賞、英国籍日本人)

カズオ・イシグロがリメイクした黒澤の「生きる」1952年公開 主演:志村喬

今回リメイクした「生きる LIVING」は

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原作では大きく取り上げられなかった若者達を手厚く描いています。

 

NHK国際報道で放映された時は、全て日本語に翻訳済みのテロップでした。

翻訳されていないと、こちらも大変困るわけで、内容の理解が簡単でした。

インタビューの中でイシグロ氏は

『私の本職は小説を書くことで、書斎での仕事を終えると階下に下りて

妻と映画を見るのがたのしみでした。

私は映画界では“観光客” のようなもので、

今回(私の映画が、アカデミー賞に)ノミネートされて、

映画界に歓迎されている感じました。

これは決して偶然ではありません。

だからこそ今回「生きる」の脚本をかくことにしたとも言えます。

 

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1954年長崎に生まれ、5歳の時に英国に渡りました

私は(「生きる」を両親と共に初めて見たのは11歳の頃で、英国で当時

見ることの出来る数少ない日本映画が黒澤監督と小津安二郎監督の作品でした)

オリジナルの「生きる」からメッセージを受け取り、

小説(デビュー作の“日の名残り”を示す?)を書き始めたころから、

私の作品にはそれが生かされていると思います。

黒澤版の悲観主義や諦め“すぐ元の日常に戻ってします”という考えを

踏襲した部分もあります。

その反面“完全には元に戻らない”という思いもありました。

小さな花火が一部の人たちに火をつけ

それが現代にまで連綿と受け継がれていくという思いです。

その思いから

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原作では大きく取り上げられなかった若者達を、今回は手厚く描こうと考えました。

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主人公のあとに続く若い世帯に強い存在感を発揮させたかったのです。

 

一人ひとりのささやかな暮らしと外の世界との間に関連性をみいだすのが

難しい時代です。特に若い世代は、このような課題に直面している人が

多いのではないかと思います。

一生懸命働いて、社会に貢献したいのにリアルな世界とのつながりが

分からないという悩みです。(生きる/生きている実感を味わえない?)

 

自分がどう役立っているのか、どう関わっているのか(が)分かり

にくいのです。

働き手として人生はむなしく、からっぽだと諦めるのは簡単です(が)』

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カズオ・イシグロ氏から皆様への“メッセージ”

『社会人になったときは、意味のある仕事をしたい、

自分の周りの社会を変えていきたいと思うものです。

しかし、時がたつと共に、そんな夢の現実無理だと思い、

疲れて気力をなくし、世の中に恨みを抱くこともあります。

自分が夢見ていたものに、手が届かなくなってしまうのです。

自分の人生に閉塞感(へいそくかん)を抱き限界を感じていたとしても、力を尽くせば

それを意味あるものにして、充実した人生を生きる方法が見つかるはずです。

そうすれば、空っぽの人生を、すばらしい人生へと変えられるはずです。』

 

皆さん!良い映画を見に行きましょう。映画館のスクリーンに映し出される

世界は、良質な本に出合った時のように、貴方の人生を豊かにしてくれます。

 

お詫び並びに許可願い:

NHK殿、今回も貴社のご了承もなく当方の勝手にて番組内容、映像を

使わせて頂きました。寛大なるお心で、お許しいただけると助かります。

宜しくお願いいたします。 ももじろう